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 コ ラ ム
実践!生涯現役・終身学習」
       JECK 事務局長 肥後 照雄
   

“本編は JECK(JICA 帰国専門家連絡会かながわ)会報 20 号(2013 年 3 月 3 日発行)に掲載 された投稿記事をコラムとして転載したものである。”

1.はじめに


“人は希望ある限り若く、失望と共に老いる”というサミエル・ウエルマンの言葉がある。 私が心底から共感・同感を覚える言葉である。
ソニー(株)を早期退職して以来15年、継続して海外で仕事・生活をしてきた。 一昨年9月、南米でのJICA・SV活動を終え帰国、現役時代、退職後を含め海外での仕事・ 生活40年、日本入出国90回、海外滞在累計10年、世界約100ヶ国、都市訪問約400 となった。

世界の開発途上国を単身で転々としながら文化、・ 環境などが異なる厳しい環境の下、中小企 業振興・競争力強化の指導・支援、各国の経済・社会の発展・復興に寄与してきた。 JECK全会員も夫々国や職種は違うが個々の経験・スキルを持った人たちの集まりである。


今後も、働ける限り、灰になるまで働く、社会と 係わり続ける、人と触れ合って、やりがいのある仕 事を続けたい気持ちが強い。しかし、残念ながら日 本では『年を取った人』はいらない。世界で最も就 労意欲の強い日本のシニア層の受皿となる場所は少 ない。蓄積した力の使い道がないのが現実である。
『人生65歳』と言われた時代は遠い昔。今や『人 生90歳時代』 。特に、国土が狭く、天然資源が乏し い日本では、知識を蓄え経験を積み、国内外でいろ いろ修羅場を乗り越え、鍛えられた高齢者は人的資 源になるべき筈である。が、急速に進む超少子高齢化時代により生産と需要が減少している状 況下、新時代を見据えた高齢書の活用などの動きは鈍い。
少子高齢化で医療や介護など社会保障費は増える一方、労働人口の減少で税収が増える見通 しの立たない日本。過日、昨年23万人が減ったという新聞記事を見た。私が住んでいる神奈 川県平塚市のほぼ同じ全員が消えたことになる。恐ろしいことである。


この対応策として、以下の案が取りざたされている。
①女性の活用・・・仕事と家事を両立させる、女性が働きやすい環境にはほど遠い。
②移民を受け入れる・・・不況の日本に来る外国人はいない。また、治安など問題もある。
③元気なシニアに引き続き活躍してもらう・・・最も効果的だが働く場所が少ないのが現状。

では、元気なシニアであり続けるには何が必要か。どうすればいいか。 柴田博氏(桜美林大学大学院教授・医学博士、生涯現役『スーパー老人』の秘密ほか)による と、“93歳まで現役の指揮を務めていた大阪フィルハーモニー交響楽団・朝比奈隆団長より長 生きした指揮者はいるが、現役を務めた年齢では世界一であった”という。 柴田博士の高齢者の社会貢献活動についての追跡調査研究で、 『これらの総活動時間が多いほ ど認知能力が低下しにくいことがわかった』と語っている。 また、 『人間の脳は、多くの本を読んだり、教養講座に沢山出席したり、趣味的社会参加が、 認知症予防に約立ったという研究はほとんどない』とも言い切っている。要するに、 『人間の脳 は、インプットするのみでなく、アウトプットしなければ十分活動しない』ということだ。
上記背景から、私は以下のモットー「よく働き学び、よく遊ぶ」を実践している。

2.働く

1)相模原市淵野辺のP社との縁は、正に『よき人との出会いは幸せを呼ぶ』言葉の通り。 国内市場の低迷と伸び悩みの中、海外進出を模索中のP社との縁は、あるセミナーの懇 親会での名刺交換が契機だった。私が海外ビジネス40年、主に開発途上国で中小企業 振興・競争力強化の指導・支援に携わり、ノウハウとスキル、そして人脈があるのがわ かり、「非常勤顧問」としてお手伝いすることになったのである。自分が最も得意とし、 やりたかった仕事である。海外のことについて まったく知識も認識もない企業にゼロ から教えるのは無上の喜びであり、楽しみである。

2)埼玉県上尾市S大学・政治経済学部での『グロバールオペレーションズ(海外展開)』に 関する「非常勤講師」の仕事も、あるネットワークからの繋がりである。元情報、化学、 食品、電子機械産業界出身の4人の講師による、オムニバス方式である。 昨年2学年度から始まり、今年も委託されている。 講義は格好のアウトプットで、特に日頃縁のない若い学生との接点は絶好の『ボケ防止』 であり、かつ刺激的・エキサイテイングの日々となっている。

3)昨年11月、「グローバル教育~リーダー・人材を育てる~」講座開設を立ち上げた。現 在、具体的稼働に向けての体制つくりに邁進している。同じ志を持ち同様な経験やスキ ルを有するメンバーと共に、夫々の専門性を活かし、世界中で自らが培った技能と知識、 喜びと苦しみを次の若い世代へ伝承したいと考えたからだ。(添付参照) 我々が講師・先生となって必要とする企業・学校に出向き、いずれ世界の舞台で活躍す る「グローバル人材」を育てる事業である。これを高齢社会の生涯現役のモデル・手本 にしたい。多くの JECK 会員にも是非参画していただきたいと期待している。

3.学ぶ

1)世の中、過去の現場実践、古い経験・ノウハウだけで通用するほど甘くない。環境変化の スピードはますます速まる現在社会では過去だけでは通用しない。時代に合った、新らたに求 められる知識・スキルを学びなおし、自分を磨いていく終身能力開発が求められる。 その為、現在、『放送大学・エキスパート課程(実践経営学)』の学生として、認証資格取 得を目指し履修中である。
そして、優れた優秀な教師陣による組織的・定形的に教材を大学のテキストとしても流用・利 用している。

2)また、最新の産業理論、知識と技術を会得するため、これらに関連する「セミナー・講演」 にも積極的に出席している。過去20年間で146回(平均月0.6回)参加した。国内の高 名・著名な講演家の講演はほとんど聴講している。
去る2月には、現在大人気の「池上彰・グローバル人材と育成と活用」セミナーに参加した。 「学ぶことは生きること」という言葉ととても歯切れがよくわかりやすい語り口が印象的で あった。同時に、大学での講義の参考になった。

これらはいずれも“自己投資・自己啓発”、まさに、“生涯現役・終身学習“の実践である。 元気で働くシニアには、語学とか資格といったスキルの部分を身に付けることも大変重要であ る。しかし、一番大切な事は自らを磨き、国籍、言葉、文化などのさまざまな違いを超えて、 万人から理解され、信頼されるしっかりとした『個」を確立することである。

4.遊ぶ

1)海外旅行

今までの90回の海外赴任・出張・旅行の内、私用海外旅行は13回となった。2月末か ら3月初旬、インドを旅行してきた。目的は、S社OBとの20年ぶりの再会、インパー ル戦没者慰霊、P社インド進出の市場調査及び観光であった。

インドでは、頻発する停電、熱いお湯 や水量不足、何より苦労したのはビール やワインがホテルやレストランでも入手 困難、また、無線LANやインターネット 接続サービスが簡単にできないこと等々 日本では常識・当たり前のことが外国では そうでない、異文化を体験・理解できた。 旅は遠ければ遠いほど、国境を多く渡るほ ど感動が大きく楽しみが違うのである。

2)スポーツ

ユダヤに『母国語以外の一つの言語と一つのスポーツと、そして一つの楽器が出来れば、 世界中どこでも生きていける』という格言がある。正論であると思う。 私は、長年テニスをしているが、世界中に「よきテニスメイト」がいる。今でも、ほぼ 毎週アルゼンチンから仲間の近況報告が届く。 ある日、世界5ヶ国、米州・豪州・インド・亜国・日本のテニス仲間から同時にメールが届き不思議な感じがし、また便利な世界になったと感慨深かった。

5.おわりに

以上、私の持論・持説を機会あるごとに繰り返し唱えているが、“現役時代に散々働いたから もうゆっくりしたい”、“今さら、ギスギスした人間関係、ドロドロした利害関係に係りたくない” という人たちが圧倒的多数である。 また、“行政や官僚が何もしてくれない”とアルゼンチンのように全て他人の精にする、人の 精にしている間に年輪だけは重ねていく。
JECK 会員(50 名)の中で、一人でも二人でも同じ思いの人と共に、会の最大の武器・特色、 特長である『新事業』『海外』という2つのキーワードを活かした「協業・協働」が出来れば と念じている。 また、これが会員のモチベーションアップ、会の活性化、会員増に繋がればと期待している。 (完)
 

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